転倒予測IoTセンサー、介護保険適用へ 自己負担1割に

転倒予測IoTセンサーシステムのイメージ図

厚生労働省は31日、高齢者の転倒を事前に予測するIoTセンサーシステムについて、2026年4月から介護保険の適用対象とすることを決定した。これにより、利用者の自己負担は従来の月額5,000円から1,000円程度に軽減される見込みだ。

対象となるのは、床に設置するセンサーマットと、天井取り付け型の画像解析センサー。歩行速度やバランスの変化をリアルタイムで分析し、転倒リスクが高まった際には介護者や家族にアラートを送信する。また、AIが蓄積データから転倒リスクの高い時間帯や場所を予測し、予防策を提案する機能も備えている。

日本転倒予防学会の調査によると、65歳以上の高齢者の約20%が年に1回以上転倒を経験しており、そのうち約10%が骨折などの重傷を負っている。転倒による医療費は年間約2兆円に上ると推計されており、予防システムの普及により大幅な削減が期待される。

既にこのシステムを導入している介護施設では、転倒事故が平均65%減少したというデータも報告されている。厚労省は初年度10万世帯への普及を目標としている。